ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

冷凍生地を使ったパン作り特集

Q そして昨年からはほぼすべてのパンが冷凍生地になりました。3社から仕入れています。

食パンだけは最後までミキサーで捏ねていたのですが、今では冷凍生地になり常連のお客様からは味が落ちたと言われて、最近はあまり売れなくなった気がしています。

冷凍生地でも美味しいパンもあると書かれているのを見て、どのようなパンなら冷凍生地のほうが美味しいといえるのか、食パンは冷凍生地でも美味しいといえるのか、教えてほしいと思います。



A 何が美味しくて何が美味しくないのかは個人の感じ方により自由だと思いますので、質問者様がどう思うかも自由で良いとは思うのですが、問題は作る側の人間が美味しいと思えないものを売るべきなのか?? 美味しいと感じないのであれば、よりおいしくする工夫なり、仕入れ業者を変えるなりすることが必要なのではないでしょうか。

例えば、どのようなパン屋さんでも必ずと言ってよいほど売れ筋ランキングトップにあるであろう、ソーセージを使ったパンがありますよね。

フランクロールとかソーセージフランスとかネーミングは色々でしょうが、どのお店でも人気のあるパンであることは確かだと思いますし、パン生地とソーセージとの相性というのは、これまた格別ですよね。

質問者様のお店でも確実にアイテムにあるのではないですか?

このソーセージを使って、例えばそれを食パン生地で巻いたフランクロールがあったとします。

この場合、確かにパン生地の美味しさというのはもちろん最大限重要であることは間違いないと思うのですが、ソーセージそのものの美味しさ、ジューシーさ、そしてマヨネーズやマスタードなどのトッピングの味とバランスも相当な要素であるとは思いませんか。

惣菜系のパンの場合、惣菜そのものの美味しさと言うのはとても重要で、残念ながら同じ品質のものを個人と大手で比較した場合、個人のお店よりも大手のほうがはるかに低価格で使うことが出来るはずです。

つまり、同じソーセージを使ったパンを作ろうとした場合、自家製パン生地とソーセージを組み合わせた原価よりも、すでにソーセージが巻かれている冷凍生地を使ったほうが原価が安くなるということになったりします。

惣菜パンの場合は、パン生地の原価はしれていますが、使用する惣菜の価格がそのまま販売価格に乗っかってしまいますよね。

価格の殆どは惣菜の値段によるもので、パン生地の値段ではありません。

そう考えると、ソーセージがすでに巻かれていて、尚且つ自家製の時よりもトータル原価が低くなり販売価格も下げられる、しかしソーセージの品質は自家製の時と同じ・・・・・なんてこともあったりします。

カレーがすでに包んであるカレーパン生地、餡がすでに包んであるアンパン生地もお使いだとは思いますが、中身のカレーや餡は自家製の時もメーカー品を仕入れて使っていたと伺っています。

これらのフィリングをメーカーから仕入れて使っているパン屋さんはたくさんあり、生地のみ自家製というところがほとんどではないでしょうか。

だとしたならば、今回は生地のみ冷凍生地に変わっただけのことであって、フィリングなどの具材は同じメーカー品であるということになりますよね。

あとは生地そのものが美味しいかどうかということになるのではないでしょうか。

冷凍生地をダンボールから取り出し、恐らくはドウコンなどにいれて翌日焼成というパターンだと思うのですが、今までの製パンからすると格段に作業が楽になったはずです。

その分今度はコマメに焼成回数を増やすとか、種類を増やしてボリューム陳列するとか、冷凍生地には冷凍生地の良さがあると思いますので、どうかマイナスイメージを取り除いていただいて、その分これからは何を行っていくことが大切なのかを是非お考え頂きたいと思います。

また、これはあくまで個人的な意見ですが、食パンまで冷凍生地にするメリットはあまり無いような気がするのですが、どうしても完全にミキサーを使わないようにしないといけない事情があるのでしょうか?

なぜなら、具材の入らないパンというのは、当然ながらパン生地の美味しさのみの勝負となります。

発酵や熟成に時間をかけることが出来ない冷凍生地にそのあたりの美味しさを求めるよりは、自家製で捏ねたほうが間違いなく美味しくなると思いますので、食パンやブレッドの類はそのまま捏ねていただきたいものです。


Q 冷凍生地玉を使って菓子パン全般と焼きこみ調理を作っていますが、フィッシュアイが出てしまうことが多くて困っております。

アンパンやクリーム系のパンに特に多く、焼きこみ調理では具材で生地が潰れてしまうことがあります。

メーカーの人に聞くとしっかりと温度を戻してから成形するように言われましてそのようにしているつもりなのですが、ドウコンで朝一番に焼くパンは大抵フィッシュアイが出てしまいます。

ドウコンの温度設定などが原因なのでしょうか?それともドウコンには不向きな生地もあるのでしょうか?

ちなみに生地は前日から冷蔵庫で解凍し、生地温度を20℃くらいにしてから成形しています。

ドウコンにいれないで当日焼成する分は問題なく焼けているので、やはりドウコンに問題があるのではないかと思うのですが。



A 冷凍生地玉も種類によって若干の違いはあるものの、ほぼドウコンには対応していると思われます。

この場合のフィッシュアイは、恐らく温度の戻しすぎが原因であると思われます。

当日成形して焼成する分は大丈夫だということからも判断できますが、しっかりと温度を戻してから成形したものは、再度の冷凍には向いていないことが多いのです。

温度を戻したことによってイーストが動きすぎてしまい、それをドウコンで再冷凍した場合にイーストが障害を受けてしまうというのが今回の原因だと思います。

多少面倒だとは思いますが、ドウコンに入れる分の生地だけはあまり温度を戻さずに、早めの包餡なり成形をお勧めします。

また、ドウコンの冷凍温度が低すぎてもフィッシュアイが出やすくなります。

マイナス5~8℃程度で設定していただくと良いと思います。

焼きこみ調理パンが具材で潰れてしまうというのは、生地にハリがないとそのようになるのです。

と言ってハイそうですかという訳にはいかないとは思いますが、ハリとか腰のある成形を心がけて欲しいと思います。

平たく伸ばす成形の場合には、一度丸め直してから綿棒で伸ばすと腰が出ますし、編むような成形の場合には一度に何個もモルダーを通さずに、伸ばしたらすぐに編まないと生地が緩んでしまいます。

成形後の生地がプルンプルンしているように・・・・・そんな状態になるよう心がければフィッシュアイは出なくなると思いますのでチャレンジしてみてください。

細かいことですが、よく生地をいくつもいくつも平たく伸ばしておいてから包餡している場面を目にします。

そうなると生地が緩んでしまい腰が入りません。

包餡は、丸い生地をしっかりと伸ばし、伸ばしたらすぐに包餡して冷凍することが大切です。

いくつも伸ばしてから包餡に時間がかかってしまったり、包餡したあといつまでも常温に置いておくようなことがないように心がけましょう。


Q 主に食パン生地とフランスパン生地を使っています。

ミキサーが小さい物しかないために、買えば良いとは思うのですが長年このスタイルです。

質問したいのは冷凍生地を前日から冷蔵解凍したものは低温発酵されていると言えるのでしょうか?

私はこの生地を使って低温熟成食パンとして販売しているのですが、心の何処かに自家製でもないのにこのような売り方で良いものなのかと言う迷いのような気持ちがあり、詳しく勉強したわけではありませんのでお客様に聞かれた時にどう答えたら良いのか正直解らないでいるのです。

冷蔵庫で解凍した生地に翌日レーズンを入れて手で捏ねてレーズンブレッドにしていますが、このパンも低温熟成として売っています。

低温熟成とか長時間熟成とかには何時間以上熟成させなければならないというような決まりはあるのでしょうか?



A 大丈夫ですよ、特に決まりと言うものはないと思います。

冷凍生地というのは、発酵という工程を行わずに冷凍されています。

解凍した段階から、と言うよりも解凍しようとした段階からすでに発酵というものは徐々に始まっていきます。

冷蔵庫の中で一晩置かれた生地は、それなりの発酵及び熟成が行われておりますので、低温熟成であることは間違いではないと思います。

それが仮に2日冷蔵庫の中にいれば長時間熟成とも言えるでしょう。

表現はある意味自由ですから、何ら心配するようなことはないと思います。

ただしですが、冷凍生地というものには冷凍障害に耐えるようにと強めの改良剤が入っていることが多いものです。

ですので、解凍されて冷蔵庫の中であるとはいえ、イーストはとても活発に活動してしまいます。

そうなりますと、もちろん温度にもよりますが、冷蔵庫の中ですでに過発酵になってしまったり、アルコール臭が出てしまうということも考えられますので、自家製の生地を熟成させるのとは少し勝手が違うということだけは注意していただけたらと思います。

完成したパンがアルコール臭い、または色付きが悪くパサパサしているなどの場合は、冷蔵庫での過発酵が考えられますので、温度を低めに設定することをお勧めいたします。

冷凍生地を使った食パンというのは、当日に冷凍庫から出して常温で解凍し、その後さらに温度を20℃近辺まで戻してから成形してホイロへ・・・・というのが本来のやり方なのですが、段取り上冷蔵庫で解凍するという方は多いと思います。

そうなりますと、冷蔵庫の中でどの程度発酵が進んだかを見極めながら、成形までの時間を調整することになりますから、自分なりの設備にあわせた段取りがスムースに行えて、尚且つ完成品が美味しくなるのはどのタイミングであったのかを掴む必要があるわけです。

そもそも冷凍生地というのは、本来であれば解凍後に十分な発酵時間を取ることを目的としては作られていませんので、常温であれ冷蔵庫であれ、十分に生地状態に注意しながら、尚且つ試食して味と風味を確認しながら行っていただきたいと思います。

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