ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

職場環境が業績を左右する???

パンという加工品を製造して販売する・・・・という私達の仕事。

この仕事をする上でとても重要な経費であり、経営的要素の要となるのが人件費であります。

人件費をかけずに仕事をすることは不可能でありますし、売上規模に応じて増えていくという、ある意味厄介な費用でもありますよね。

様々な経費が存在する中で、とくに手作りに近ければ近いほど人件費の比率というのは上がってしまいます。

一月の仕事を終えて損益を確認すると、いつもどっしりと不動の構えを見せているのが人件費であり、削りたくてもそう簡単にはいかない、しかしながらここをなんとかしないかぎり利益は上がってこない・・・・・・という思いをお持ちのオーナーや会社幹部の方は多いことと思います。

機械化というよりも、むしろロボット化して製造ラインをまるで人のように、いやそれ以上に活躍しているという会社も多いと思いますが、それはそれで売上規模と設備が噛み合っていないと、今度は設備費がのしかかることになり、何が何でも売るしか無いというような状況が価格破壊を生むことにつながったりして、人より機械というのもけして単純なことではないと言えます。

そうでなくてもパンを作るための設備は非常に高額ですので、そこに輪をかけて機械化をとなると、それはもう半端では済まない投資が必要ですから、そこに踏み切るまでには相当の覚悟も必要となるのが現実でしょう。

いずれにしても、オートメーション化できるような売上規模に至るまでは、人が行うというのが一般的な捉え方でしょうし、人が作っていたものを機械で作るという工夫も、そして製造工程や企画運営もすべて人が行うことに変わりはありませんので、企業は人で決まるという言葉があるのも至極当然のことでしょう。

この、単に費用として考えれば最大規模の経費である人件費を、いかに会社にとってプラスにしていけるかというのは誠に大きなテーマではないでしょうか。

焼きたてパン屋というものを運営していく上において、ともに働く人というのは正に財産であり、時に戦友であり、時に道標であり、時に家族以上の親近感を憶えるような存在であると常々感じています。

また、そう感じられる時というのは、業績的にもとても安定している時期であるともいえます。

もちろん色々と難題が降りかかってくるこの業界ですから、順風満帆という訳にはいかない時もありますが、そんなときもやはり信頼できるスタッフに囲まれていると、難題すらも心地よい波のように思えてきたりするものです。

スタッフ同士の信頼関係が築けている職場というのは、恐らくこれ以上のモチベーションはないであろうと思えるようなとても贅沢に思える環境だと思います。

しかし残念ながらそうとはいえない職場の場合、何かと言えば愚痴がこぼれてしまう寂しい環境だと感じますよね。

どの職場も多かれ少なかれ人間関係に悩んだり苦しんだりしているのは同じだとは思いますが、焼きたてパン屋の場合にはそれがたった二人の場合があったり、数十人の場合であったりします。

二人しかいない職場で人間関係がしっかりと出来ていない場合にはかなりきついのではないか・・・・というのはすぐに解るのですが、かと言って大勢いればいたで派閥のようなものが幾つかできてしまっていたりして、居心地の悪さはそう変わらないということのほうが多いかもしれません。

仕事が楽しいか苦痛なのかの主たる原因は、ほぼこの人間関係で決まると言っても過言ではないと思うのですが、そもそも生まれも育ちも家庭環境も違う人同士が一緒に働くのですから、すんなりとはいかないということだけは誰にでも想像がつくところだと思うのです。

しかし中には、どうしてこれほどまでに皆が仲良しなのか・・・????

どうしてこれほどまでに皆がオーナーを信頼しているのか・・・????

という職場もあるのです。

それは一体どのような職場なのでしょうか???

そのような職場では、こんな光景をよく目にします。

誰かが何かを床に落としてしまった場合、ほぼ全員が大丈夫かといって寄ってきては、一緒に拾ってあげたり、その失敗を笑いに変えたりしてくれます。

家族のことがよく話題に挙げられます。

見えない位置にいるスタッフ同士でも、声を掛け合っては笑いがこぼれます。

自分の仕事の進捗を皆に大声で言いながら、その後どこを手伝うことが最良かを共有しています。

どんなに短い時間でも、お昼は一緒に食べています。

そしてなによりも必ずと言って良いのは、この中にオーナーが混ざっているという点です。

もはやそこは家族か、それ以上の居心地の良さを感じてしまうほどですが、いったいなぜこのような信頼関係というか結束力というか、全員が互いを助けるという行動が自然と出来てしまうのでしょうか。

そのことを本人たちに確認しても、ほぼ自分以外の人への感謝の言葉しかでてきませんし、いつも助けてもらっているとか、誰々のおかげでという言葉しか出てこないのです。

この状況というのは、たまたま素晴らしい人達が集まったということなのでしょうか?

それともなにか、職場の人間関係を円滑にする為のテクニックをオーナーやリーダーの方が身に着けているということなのでしょうか。

私自身の経験からすると、もちろんそのようなテクニックが無いわけではありませんが、それが通用するレベルというのがあることは確かだと思うのです。

つまり、残念ながら全く人のことを助けようとはしない人に対していくら人の道を説いても、テレビドラマのようにすぐに変わってくれるという訳にはいかないと思うのです。

また、オーナーなりリーダーの方が個性あふれる人であった場合には、結束力は固まりやすいのですが、ついていけない人は逆にすぐ辞めてしまったり、逆にオーナーが他人任せな人であると周りの結束力が固まりやすい場合もありますが、派閥も出来やすいとも言えます。

そう考えると、神がかり的な絶妙なバランスというものが噛みあった時、はじめてこのような理想的な職場環境が出来上がるのかもしれませんね。

何が理想的な環境なのかは人によって感じ方は違うと思いますが、往々にしてそれは適度なやりがいがあることであったり、特別嫌な人がいるわけではない環境であったり、収入と仕事量が噛み合っていると感じられる環境であることは間違いないでしょう。

今現在、スタッフ間の信頼関係に不満を持つオーナーも多いことでしょうし、指示命令が素直に通らない職場に不満を持たれている責任者の方も多いことでしょう。

オーナーやリーダーの方は、ある特定の人が権力を握ってしまったり、指示や命令を勝手に解釈を変えてしまったり、派閥を作ってしまうような人がいる場合は、厳格なる意思を持って対処すべきだと私は思いますし、その姿勢を他のスタッフは見ているのだと言えると思うのです。

誠に悪い言い方になりますが、そのような人を私は ”ガン” と呼んで、少しでも早く取り除くべきであると申し上げてきました。

しかし、そのガンとも呼べる方というのは意外と仕事ができ、何よりもその会社の諸事情をよく知っていたりしますので、手を付けたくても手がつけられないというオーナーも多かったりします。

事実、ガンである人を思い切って辞めさせた後は、一見平和がやってきたかに見えましたが、残ったスタッフが全員力不足で、かつリーダーシップを取れる人が居ないために、作業効率はどんどん低下し、業績は下がる一方というお店もありました。

全体の和を乱すような人というのは、時には強いリーダーシップを持っていることも多く、とりわけ根性もあったりしますので、手がつけられないどころか、むしろ頼りにしてしまっているという現実も多いのではないでしょうか。

そうなると、結局は人の出入りが多くなり、組織としてはなかなかまとまらないことになるわけですが、そのようなアクの強い人がいて、色々と取りまとめてくれるおかげでオーナーは現場に入らなくてもよかったりしますので、納得はしていないが現状維持というのが実情だというのもある意味うなずけます。

このようにして、このままではいけないとは解っていても何も出来ない、何も変われずにいる職場では、なかなか二番手三番手が育たずに、常に求人を行っています。

お店をオープンして夢を実現していくための思案のはずが、いつの間にか従業員を使うことの難しさを思い知らされることになる・・・・・

誰のお店なのか・・・・・なぜ開業したのか・・・・・どこへ向かっていくのか・・・・・理想と現実の狭間で苦悩する瞬間です。

人を採用したりクビにしたりするというのはとてもエネルギーが要りますよね。

しかしそのことだけはどうしても避けて通れないのが手作りです。

規模は色々あれど、とどのつまりは人と人。

妥協も必要だし譲り合いの精神も大切でありながら、時に自分の主張を持ち、時に他人を全力で支える気概を示す。

そんなスタッフに恵まれたいと思うなら、まずは今の自分の考え方を叩き直す必要がありそうです。

もっと興味をもとう。

もっと話を聞こう。

心から感謝しよう。

情けは人のためならず・・・・これは、人の為になることをすれば巡り巡って自分に帰ってくるんだという意味らしいですね。

技術を磨くことももちろん大切ですが、舞台が職場である以上、そこで働く人のモチベーションを一番に考えられるのが、本当のリーダーなのかもしれませんね。


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