ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

スッキリしない今日、それが明日を生き抜くテーマとなるのか・・・・

メリー・クリスマス2016

一年の締めくくりがスッキリしないことで終わるってどう???

しかし、よく考えてみればほぼスッキリしない年だった。

というか、そもそもスッキリしている時間のほうが少ない人生なのだから仕方がないか(汗)

物事が少しうまくいくと、これで良いのだろうか???と考えてしまう。

これで良い訳がない・・・・いや、きっとまだまだ上があるはずだ・・・・みたいな思考しか持ち合わせていないので、結局のところほとんどスッキリしない時間を過ごしていることになる。

・・・・で、何がスッキリしないのかというと、やはりそれは自分の作るパンであったり、相談に答える内容であったり、とにかく仕事に関することだ。

生きていく上で、つまり日常の中にもスッキリとしないことなど山ほどある。

しかし私にとってはそれは意外とどうでも良かったりする。

特に政治や経済や教育や文化などなど、そのような大きなテーマは私がイライラしたところでどうなるものでもなく、ましてや私ごときのアイデアや意見で大きく変わっていくことなどはまずないからだ。

そんなことを考えている余裕もなければ、感心もない。

もっともっと極めてチッポケな、だからこそ私にしか出来ないかもしれない小さな問題を一つ一つ解決してはまたぶち当たり、そんな製パン人生をかなり長く続けてきている。

というか、自ら探し求めていると言っても過言ではないかもしれない。

それはなぜか??

多分それは仕事に問題が無かったら、やるべきこと、やりたいことが無くなってしまうからだと思う。

社会に出てこの仕事に関わってからというもの、寝る時間と飲む時間以外のほとんどに人生を費やしてきた。

ほぼ無趣味でやりたいことも特になく、なりたい自分というのも特には無い。

お金は欲しいが、それで株で儲けたいとか、贅沢をしたいとか、旅行に行きたいとか、そのような気持はまったく無い。

もしあふれるほどのお金があったとしたら、それで趣味のパン屋を世界各地で開店し、利益とか原価とか効率とかを考える必要がない環境で、ただただ美味しい美味しいと叫ぶ人の顔が見たい・・・・

海外に行ったことはないが、日本で働く外国人の感動の仕方は様々だ。

アメリカ・ブラジル・イタリア・インドネシア・フィリピン・韓国・中国の人にパンを作ってあげてプレゼントしてきた。

日本で働いていても日本語がまったく話せない人などは、なかなか溶け込むことができないが、なぜかパンを食べてもらうと皆一様に大喜びしてくれる。

自分の国のパンよりずっとずっと美味しいなどとお世辞も言ってくれたりして、音楽やスポーツもそうだが、美味しいものに国境は無いんだなと改めて感じるし、その笑顔を見るだけで人生最高の喜びを感じることが出来る。

チッポケな、そしてコンプレックスの塊のような自分にも他人を笑顔にする力があるんだ・・・

そう思える嬉しい瞬間である。

さてそんなプレゼントばかりを作っていても生活ができないので、やはり今日も効率だの利益率だのを考えながらパンを作らなければならない訳だが、相も変わらず次々と難題が降り掛かってくる。

今正に解決しなければならないのが、こんなパンが焼けてしまう状況を打破しなければならないことだ。


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いかがだろう??? この吐き気をもようしてしまうような完成度は・・・・

不思議なのは、これらはすべて同じ生地で同じ人が成形し、そして同じオーブンで焼いているのだ。

簡単に言ってしまえば、オーブン内の焼きムラがはなはだしい訳だが、だからと言ってハイ新しいオーブンね・・・・・という訳にはいかないのが通常だろう。

修理や調整で良くなることももちろん有るが、ここまでくるとこのオーブンでフランスパンは止めたほうが良い・・・・というのが個人的な見解だ。

しかしそう簡単にはいかないのが企業の事情だから、違うオーブンを買うにしても、このオーブンで最大限どこまでのものが出来るかをしっかりと検証し、しかも当然コストパフォーマンスも考えながらになる。

どういう事かというと、パンはもちろんフランスパン一種類を作っている訳ではないので、新しいオーブンにするにしてもフランスパンだけがうまく焼けたのでは本末転倒になり、更に時間あたりどれくらい焼ける数が増えるか減るかによっては、いくら品質が安定したからと言っても売上が下がる、あるいは製造時間が伸びて人件費が上がるということにつながるからである。

更にである、こんな見た目のフランスパンでありながら、実は私史上最高に味の良いパンが完成したのがこの画像のパンなのである。

数々の酵母や製法や小麦粉を使って、今までより美味しい、よりオリジナリティあふれるフランスパンを研究してきたが、様々な偶然とたった一つの信念でたどり着いた味に仕上がった。

もし仮にオーブンを変更してしまったら、この味はもしかしたら出せないかもしれないのだ。

う~ん非常に悩む・・・・byクリスマス2016


ということで、どうやら年越しの悩みとなりそうで、そのお陰で来年もどうやら楽しめそうだと思うと・・・フフ・・・っとなる。

さて今年一年を振り返ると、やはり質問に登場する定番といえば食パンとフランスパンであった。

ホームベーキングの方からや、今年は得に多かったのがプチベーカリーの方からの質問だった。

喫茶店・レストラン・老人施設・焼肉店・ソーセージ工房などの異業種でパンの展開をという方が多い一年であった。

一年を締めくくりながら、最後にとても美味しそうに焼けているフランスパンの画像を紹介して、モヤモヤを取り除いて新年を迎えたいと考える。


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これは家庭用オーブンではなく小型の業務用オーブンだが、さすがに蒸気の質が良いなと感じる画像である。

薄いクラストが売りのソフトフランスに思わずパクリといきたくなる・・・・




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これも小型の業務用オーブンだが、ここまで焼けるようになるには随分苦労したようだ。

しかしクープにこだわりすぎて蒸気が少なめで焼かれており、ちょっと残念だ。

だが美しい・・・・





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これは家庭で焼かれたものだが、蒸気の使い方と焼成温度が絶妙で最高に美味しそうである。

製法もストレートではないことがすぐに分かり、プロ並みの焼き加減に思わず見とれる。





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こちらも家庭で作られたものだが、蒸気の使い方と焼き加減が抜群だ。

製法や酵母までもこだわり、その風味が画像を見ているだけで伝わってくる。

本人はクープに納得していないようだったが、そんなものは全く気にならないほどの完成度である。


どのような環境であれ、どのような立場であれ、今できる最高にこだわり続ける姿勢を、いつも質問者様たちから頂いている私は、本当に幸せである。

2017年もうまいを絶叫できる一年でありますように・・・・

世界に幸あれ・・・・



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