ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

質問力は、実はとても重要なキーワード・・・

いや~久しぶりに出逢いましたよ、質問力の高い方に・・・

こんな気持になるのは恐らく数十年ぶりでしょうし、あまりにもご無沙汰しすぎていて、忘れかけていたくらいです。

電話をすれば2時間は当たり前、打ち合わせをすれば7時間は当たり前・・・・

それでもまだまだ話が尽きることはない・・・・

そんな、パンについて尽きることのない互いの思いをぶつけ合う時間・・・・本当に懐かしく有り難い時間でした。

多分自分にとっては恋愛にも似た気持かもしれませんね。

新鮮でもあり、実に久しぶりに味わう本気の時間とも言える気がします。

その方もパン屋経験の大変長い方ですが、今後の人生をかけて新たなパン屋を展開しようと決意されています。

私の経験上、製パン経験の長い方とのやり取りというのは、ほぼ上手く言った試しがなく、結局はプライドが勝ってしまい、自分の悪い面を認めることは出来ないという方が多かった気がします。

相談を受け、それはお困りであろうとアドバイスを展開していく際、イベントや新しいレシピの話には食いついてくるのですが、肝心の技術面や製法などの話になると、それは変える気はないということになることがしばしばで、結局は聞きたいことだけ、知りたいことだけを教えてほしいだけで、改善とか製法の見直しとか、ましてや接客や商品の陳列方法などに至っては「口を挟むな」的な対応になることが多く、最終的には ”あの時間は何だったのだろう”という結果になるのでした。

以来、製パン経験のある方からの相談については、充分な事前打ち合わせをさせていただき、それでも協力してほしいという気持が確認できるまでは引き受けないことにしていました。

それだけに、今回は実に久しぶりの感動を味わうことが出来たわけです。

末永いお付き合いになりますことを、心から感謝する次第です。

このブログを知っていただいて、今までに受けた質問の数は・・・・・たぶん千の桁に到達していると思われますが、そんな中にもほんの数人ですが確実に存在している ”質問力の高い人”

その方々に質問されると、なんでも答えてしまうし、その後の状況が気になって気になって・・・・そしてまた新たな質問がやってくる・・・・というように、数年に渡って尽きることのない関係が続いているのでした。

質問力というのは、実は私自身がもっとも得意としていた情報収集の為の必殺技でもありました。

自分の知らないことを知っていそうな人に出会うと、これでもかというくらい質問攻めにして、全てを吸収するという、まるで製パン吸血鬼とでもいうかのごとく、食らいついたら離さないしつこい人間でした。

もちろんただ単に質問攻めにしても駄目ですよね。

時におだてて、時に大袈裟にうなずき、面倒くさいと思われないように注意しながら、聞きたいことをきっちりと聞き出す、そんなテクニックを使っているという方もいらっしゃるでしょうし、実際にそう感じ取れるような方もたくさんいます (*^^*)

しかし私の場合は少し違います。

自分の知らないことを知っている人というのは、本当にすごいと心から感じるのです。

勿論仕事のことに限定されるわけですが、パンについての知識や理論、そして自分にはない手さばきを目にした時などは、それはもう飛び上がるくらいの感動を憶えてしまうのです。

そして一瞬その方のファンになってしまうのです。

これは取り繕っているわけでも何でもなく、本当に本心から ”素晴らしい” と感じるのです。

時には20歳も若い人であったり、明らかに生理的に受け付けがたいような人であったとしても、「この人は自分にないものを持っている・・・」そう感じた途端にファンになってしまうのです。

ただ単に純粋にこの人から教わりたい・・・・そんな気持でぶつかっていくと、大抵の場合一つ聞くと10帰ってくるという実感がありました。

勿論私自身もそうですが、相手がどのくらい真剣にその問題と取り組んでいるのかということは話していれば分かりますし、ついつい応援したくもなり、なんとかしてあげたいという気持になるものです。

そこにテクニックを使われる方も当然いるでしょうが、私の場合は恐らく極度に自分に自信がないのだと思うのです。

自信が無いだけに、何とかして教えて頂きながら、少しでもこの業界において無くてはならない存在になれるようにと必死でした。そうしなければ自分は何の価値もない人間で終わってしまう・・・・そう思えてならないのでした。

よく、ブログの内容を見て「すごい知識ですね」 とか 「すごいスキルをお持ちですね」 とか「どうすればこんなに何でも解決できるようになるのですか」 というようなお褒めの言葉をいただくのですが、とんでもありません。

まったくもって自分自身には納得しておりませんし、この業界にとっても ”へ” のような存在でしかないと常々思っています。

何もかもに自信がありませんし、人様の悩みを解決するなど、そもそも出来るような人間ではないのです。

だからこそ、だからこそ、出来ないし自信がないからこそ、日々チャレンジのつもりで質問をくださる方と向き合うことができるのであり、自分にないものを持っている人には、心から素直に教えを請うことができるのです。

そんな態度を謙虚とよんだりするようですが、私の場合はそんな格好良いものではなく、「バカにされたくない」「使えない男だと思われたくない」そんな、本当に自分のダメさを解っているからこその素直さなのだと思います。

とはいえ、結論としてはそれはそれは多くの方々に知恵を授けていただくことが出来、そのことへの感謝の気持ちは片時も忘れたことはありません。

ですので、私にとっての質問力というのは、心から相手を尊敬し感謝を表すということになろうかと思います。

また、ほぼ毎日のように誰かの悩みを聞き、どうすれば解決へと導くことが出来、喜んでもらえるだろう、そして感謝してもらえるだろう・・・そんな日々を送っているおかげで、自分のモチベーションが保てているのではないかと感じているのです。

人と人とのコミュニケーションなのですから、勿論相性というのはとても重要だと思います。

その点は、直接お逢いすればすぐに確認できるものだと思うのですが、私がいただく質問の多くはブログ経由ですので、相手が見えません。

ですので、とりあえずメールの文面からしか判断することができませんし、その際にはどうしても礼儀があるかどうかが判断基準となる訳です。

結論から言えば、礼儀をわきまえない方とのやり取りが続いたということはただの一例もありませんし、礼儀は今ひとつでも、実は大変パンに対して情熱を持っていて、その後も長いお付き合いになった・・・・ということもただの一例もありませんでした。

逆に、これでもかというくらい礼儀正しいと思いきや、聞くだけ聞いたら後はしかと・・・なんてこともしばしばです。

商品を画像で分析し、配合を変更したり、原材料の提案をしたり、製法を見直したりというやり取りを何度も何度も行いながらも、結局改善されたのかどうかの報告もなく、その後の経過や、ましては感謝の言葉すらないという方も残念ながら多いのが実情です。

そんなことが数回続くと、やはりモチベーションは下がりますが、そんなときもやはり気持を晴らしてくれるのは、久しぶりの経過報告などをくださる長いお付き合いの方々で、どこまで行っても人間同士の付き合いというのは難しいものだと感じるとともに、それでも感謝してくれる人も必ずいるという確信をもつこともできるのでした。

質問力というテクニックは、どういうものなのかは私には解りません。

ただ私が感じているのは、人にものを尋ねたらお礼をするのが当たり前で、さらに相手から知恵や教えを受けたらお礼をするのが当たり前、そしてそれが数回以上続いたら経過報告をするのが当たり前で、最後にとても大切なことは感謝の気持ちを表すということです。

そんな当たり前のことが出来ない人であったならば、もし知識として得られることがあったとしても、それを知恵に変えることなど出来はしないと思うのです。

相手に対して過剰にお礼をする必要もなければ、丁寧な言葉を並べる必要もない・・・・

「おかげさまで」という気持と 「ありがとうございます」という感謝があれば、それは必ず相手に伝わりますし、そのような気持ちを持って問題解決に当たることが、人として尊いことなのではないでしょうか。

質問力を更に磨いて、少しでも人の役に立てる人間にならなければと思う今日このごろです。


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