ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

商品開発に一番必要な情報収集とは・・・

新しい白衣に着替える気持ちになりましたか???


自分を奮い立たせるのは至難の業です。

頭で考えることをひとまず止めて、素直に行動してみることで意外とすんなり気持が切り替わったりすることもありますので、どうか実践してみてほしいと思います。

さて今回は、

「どんなパンを並べればもっとお客様が来てくれるようになるのだろう・・・」 

「うちらしいパンとはどんな商品構成のことだろう・・・・」

そんな、お店の商品構成にイマイチ不安を持ちながらも、ではいったいどんなパンを作っていけばよいのだろうと悩んでいる方に提案したいと思います。

自店のパンを自ら評価した場合、最高っ!!・・・・とまではいかないものの、そこそこ美味しいと感じているオーナーは多いと思います。

それもそのはず、自らが努力をして勉強をして修行をして習得してきた結晶ですので、むしろなぜもっとヒットしないのか不思議でしょうがない気持もあるのが本音でしょう。

相反して、繁盛店に視察に行って買ってきたパンを食べても、たいして美味しいとは思えないし、自分のパンのほうが上だと感じるものもいくつかあると思うのです。

しかし現実にはあちらは繁盛し、自店は伸び悩んでいる・・・・

さて、いったい何がどう違うのだろうかと悩むところだと思うのですが、その違いが明確にわかる人など存在しないと思うのです。

こうすれば売れて、こうしたら売れない・・・というような単純なことなのではなく、様々な要因が重なり合って結果として出ているということなのだと思うのです。

「商品が受け入れられていないのでは・・・」

「地域性に合っていないのかな・・・」

「立地がそもそも不利だった・・・」

「競合店が最近増えてきたから・・・」

「もうちょっとおしゃれなパンを作らないと駄目かな・・・」

考えれば考えるほど様々な要因が浮かんできて、いったいなにから手を付ければよいのか解りませんよね。

さて、多くのオーナーの方々は、例えば新しい商品を開発しようと考えた時に、一体何を参考にしていますでしょうか。

今時ならやはりネットで流行りを検索する人が多いのではないかと思いますし、過去のレシピを紐解きながらアレンジを考えたり、あるいは書店に出向いて専門誌に目を通すことも多いのではないかと思います。

そのように自分で見て考えるという事以外に一番多いのは、問屋さんやメーカーが主催するパン講習会に参加することではないでしょうか。

私自身も当然ながら数多くの講習会やセミナーなどに参加して勉強させて頂きましたが、実はそのことに関して感じていることがあるのです。

それは、

「講習会で披露されるパンが売れたためしはない」

という事実です。

あくまで個人的な実体験でしかありませんが、これは絶対売れそうだと思っても、まずそうはならなかったというのが本音です。

皆さんはどう感じていらっしゃいますでしょうか・・・

メーカーも、そして問屋さんも、当然のことながら試行錯誤を繰り返し、そして流行なども分析しながら、私達のために開催してくれる有り難い講習会なのに、どうしてそんなパン達が売れないのか・・・

メーカーの大小にもよりますが、専門の商品開発チームがいるメーカーでは、日夜市場を分析しながら、また繁盛店のパンなども分析しながら、日々あれやこれやと試作に明け暮れています。

そんなヒットメーカーが開発したパンが、なぜガンガン売れていかないのか・・・・

実はそこにこそ、自店の商品構成を考えていくにあたってのヒントがあると思うのです。

どういう事かといいますと、例えばQPマヨネーズのQPさんが主催の講習会があったとしましょう。

問屋さんからQPさんに 「講習会を開いてもらいたい」という要望がある場合、そしてQPさんが独自で販売促進として講習会を開催する場合とがあると思います。

いずれにしても、日頃からQPの原材料を使ってくれているパン屋さんのために、もっと売れるパンを提案しようと一生懸命メニューを考えて提案してくれることになるわけですが、実はこの「パン屋さんのために」というのが????につながるのです。

QPさんからしてみれば、お客様というのは我々パン屋であり、我々がより多くのQP食材を使用したパンを作ることで、成果が上がるわけです。

それは、どのメーカーが主催であっても同じで、結局は自社の食材をより多く販売したいが為の販売促進として開催するのがメインとしての考え方であり、パン屋さんでそれが売れてくれなければ失敗ではあるものの、多くの自社製品を知ってもらうことで、今後も使っていただければという思いが優先しているわけです。

製パン問屋さんが主催の講習会でも同じことで、結局はもっと原材料を多く使って欲しいわけですから、その為にはどんどん繁盛してもらいたい、その為には講習会をどんどん開いて活気付けていかなくては・・・ということになるわけです。

このようにして、業界全体としてパン屋さんの繁盛を応援してくれているわけですが、その講習会で紹介されたパンが次々に売れていってくれれば、オーナーも非常に助かるわけですが、現実にはそうはいきませんよね。

それはなぜなのでしょうか・・・???

それは恐らく、その商品開発は ”仕事” だからではないかと思えてならないのです。

そんなことを言ったら、私達の日々も仕事だと言えばそうなのですが、そうではなくてそれぞれのお店に来店してくださるお客様の好みや要望を知りたいという行為は、”仕事” ではなく ”思い” だと思うのです。

繁盛店に総合して言えることは、お客様の要望を吸い上げることが得意で、かつ商品の提案の仕方、提供の仕方が解りやすい、そして何よりもオーナーの人柄が感じられる雰囲気であり商品構成であるということです。

メーカーが開発した商品は、メーカーの食材を活かした美味しいパンであることは間違いないでしょう。

しかし、さすがにそれはパン屋一軒一軒に合わせているわけではなく、業界全般への提案にすぎません。

毎日毎日、お客様の要望を聞き、商品の動きを見て、そして感じたことを次回商品として発売していくという、お客様とのやり取りを行っているオーナーのそれは、開発動機や来店してくれるお客様への感謝の気持ちなどにおいて、すでにメーカーの仕事としての開発とは違うと思うのです。

「そのお店のオーナーにしかお客様の本当の要望はつかめない」

つまり、実際にお客様といかに会話をし、時に食べ方や原材料などについて意見交換をするなどの時間を ”仕事” としてではなく ”思い” として行えているかがキーワードなのではないかと思うのです。

私の経験では、話しかけたお客様が迷惑そうにしていたという経験は今のところゼロです。

皆さん、あまたあるパン屋の中で、わざわざ当店へ来てくださったお客様です。

きっと何か ”行こうとしたキッカケとか理由” があるはずですよね。

それを本人から聞くということは、これは超確実な情報ではないでしょうか。

初めのうちはなかなか本音を聞かせてはくれません。

通り一遍の褒め言葉を言われているうちは恐らく本音ではありません。

何度かお話しているうちに、必ず ”もう少しこうだと嬉しい” というような要望が出てきます。

それを実現する商品開発を行うことで、オーナーの思いがお客様に伝わるのではないかと思うのです。

実はそんなことは焼きたてパン屋でしか出来ない情報収集で、唯一の特権でもあるのです。

「いつもキレイな白衣を着た、掃除好きで話好きなオーナー・・・」

どうぞチャレンジしてみてほしいと思います。



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