ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

最高鮮度実現への道

前回、最高鮮度のパンを提供することの重要性を書きました。


自分が作るパンに対して、どのような方向性や ”思い” というものをお持ちで、日々取り組んでいますでしょうか。

売上はほぼ横ばいで、特に上がっていく様子はなさそうだ・・・・

大儲け・・・とまではいかないまでも、なんとか継続してやれているからまあまあかぁ・・・

なんてお考えのオーナーでしたら、今のところそれでよいかもしれませんよね。

だって、つぶれないで継続できているわけですから、特に無理をして何かの手を打たなければならないというわけでもないでしょう。

こんな書き方をしたら、可もなく不可もなくではいけないかのように聞こえると思いますが、そうではなくて、もし可もなく不可もなくでやれているのでしたら、むしろ安定した日々、安定した経営であると言えると思うのです。

ただし、それが今後も続けばの話・・・ですよね。

当然のことながらマーケットは日々変化していきます。

今のところ安定している売上も、本当に今後も維持していけるか、競合店や競合するような業態が自分のマーケットに進出しはじめても、それでも維持していけるだけの自信があるかどうか・・・

そのあたりをどう考えているかによって、今後の経営におおきく響いてくるのではないかと思います。

売上を毎月々、そして毎年上げていくということは至難の業ではありますが、横ばいで保つというのも実は非常に難しいのではないかと考えます。

数年間横ばいで推移してこれたということは、間違いなく多くのファンが存在してくれているわけで、そのことはむしろ今まで行ってきた事が功を奏した証であると思うのです。

多くのファンがなぜ自分の店に足を運んでくれていたのか・・・・

その答えをしっかりと認識できているようでしたら、競合が進出してきても、マーケットが変化してしまっても横ばいを維持できるかもしれません。

しかし残念ながら、現実は無常であり、数年後には大きく売上を落とし、経営難に苦しむということも多いようなのです。

そのような現実と戦っていらっしゃるオーナーの多くは、恐らく自分の作るパンに絶対の自信があり、やる気に満ち溢れている・・・・という訳にはいかないでしょう。

何を見ても、何を聞いても、すべて自分よりも勝っているように見えてしまうのではないでしょうか。

「売上が予想以上に上がってきた」 「お客様で店内がいっぱいである」そんなときには自分に自信が持てていて、経験や苦労が報われて感無量であるといった気持であったのに対して、パンは全て出揃ったのに、店内にお客様の姿は無い・・・そんな状況になれば、心も折れ、やる気も出ないのが当たり前だと思うのです。

マーケットが目まぐるしく変化していく中で、長くお店を運営していくということは並大抵のことではありません。

好調だった頃のことを思い出しながら、ではこれからどうしていくべきなのか苦慮を重ねている方もいることでしょう。

そんな時に是非実行していただきたいのが、最高鮮度の提供なのです。

私自身の経験もそうですが、売れているお店、人気がどんどん出てくるお店、口コミが広がっていくお店に共通していることは何か、総合して活気のあるお店を作るにはどうしたら良いかを色々と考え分析してきた結論がこれです。

それは、

焼きたてパン屋に求められているのは焼き立てのパンがあるかどうか・・・

という、当たり前のようで当たり前に出来ていない難題にチャレンジしているかどうかなのだということなのです。

新しいお店がオープンしました。

普通は新しいお店にはとりあえず多くのお客様がいらっしゃいます。

しかしそれは、ある意味の偵察のようなものであり、今までのお店から乗り換える程のお店かどうかを見極めるために来ている人もいれば、単なる新しいもの好きの人もいれば、オープニングセールのお得感を求めて来る人もいれば、ようやく身近にお店が出来てくれて助かるという人もいる。

要するに、オープンして暫くの間はどのようなお店でもそこそこ繁盛しているように見えるのです。

ですので暫くの間は 「よ~しいいぞ!!」とガッツポーズを取りたくなる気持ちになるものですよね。

しかし、数ヶ月と経過していくうちに大きな分かれ道に遭遇します。

それが、”焼き立て回数にこだわってきていたかどうか” という点なのです。

忙しいオープニングの日々から学ぶことは多く、とにかく商品を切らしてはいけない、チャンスロスを出してはいけないという意識のあまり、早い段階から多くのパンを焼いてしまい、開店時間に出来るだけ多くの種類のパンを陳列しなければならないということです。

しかしその結果、開店してすぐに来たのに、焼き立てのパンが無いという現実を産んでしまうのでした。

このようにして良かれと思って早朝から頑張って揃えたのにもかかわらず、どんどん客数が減っていくということを私自身も経験をしましたし、多くの経験談を耳にしました。

個人店のオーナーがよく考え違いをするケースがあります。

それは、超好立地にあるお店では、開店時間にはほぼすべてのパンが出揃っているのを見ていて、やはりそれが理想の形なのだと思ってしまう点です。

超好立地店舗というのは、一日の売上が50万円以上ありますから、お客様の来店数も半端ではありません。

レジが2台とか3台あって、それでもお客様は並んでしまいます。

そのようなお店では、焼けたパンを陳列するのも一苦労ですので、開店前には山積みしておかなければならないのです。

しかし個人店は全く違います。

開店からお客様が押し寄せるということはまず無いでしょう。

だからといってパンが10種類くらいしか揃っていないということが良いとは申しませんが、すべて揃えておく必要はないと思うのです。

常に何かしらの焼き立てがあり、お店の中はパンの香りで満ち溢れている・・・・

焼き立てです!! のプライスカードがあちらこちらに置かれていて、厨房からは次々と焼き立てのパンが出てきて並べられていく・・・・

すでにトレーがいっぱいでレジに並んでいる人も、ついついその焼き立てにも手が出てしまう・・・・

レジに並んでいる人にも、焼き立てのパンの試食を配るオーナー・・・・

口の中も買い物袋の中も、最高鮮度のパンでつい笑みが溢れるお客様・・・・

そんな光景を誰しもが経験していることと思いますが、では今現在いったい何人のお客様にそのような体験を提供できているでしょうか。

「焼きたてパン屋にしか出来ない感動を与えること」

それが最高鮮度の提供であり、その実現に向けてどう取り組むかが大きなキーワードなのだと思います。

「あの有名店のパンを作れればな~」

「もっと売れるレシピがほしいな~」

そんな考えはキッパリ捨てて、自分の経験を信じ、自分の力量を信じ、自分の想像力を最大限に発揮して、焼きたてパン屋だからこそ出来る強みは何かを考えましょう。

どうすればより焼き回数を増やしながらも、効率の良い作業に出来るか、その製法はどうすればよいか、次回そのヒントを紹介していきたいと思います。


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