ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

カリスマ販売員の実話

世の中には、素晴らしい販売員さんがたくさんおられます。

私の経験の中で、カリスマ販売員と言ったらあの人、と言える方の話を少ししたいと思います。

その前に、一つだけ断っておきたいことがあります。

それは、世の中には多くのサービス業が存在します。 それぞれのサービス業には、それに合った接客の手法があり、決してホテルとベーカリーの接客は同じではないと言う事です。

これからお話しするのは、あくまでベーカリーのお話ですので、お間違えの無いように!

そのカリスマ販売員さんは、年齢は50歳後半位で、決して美人ではありません。

どちらかというと、何処にでもいるような農家のおばちゃんといった感じの、気取らない人です。

その方の周りには、常に人だかりが出来ます。 そして、彼女が奨める商品は、瞬く間に売れていくのです。

彼女は岐阜県の人なので、若干のなまりがあり、それがまた親近感があるのです。

彼女は様々なお店から、常にひっぱりだこです。今日はあっちのお店、明日はこっちのお店・・・・と。

彼女が一人お店にいるだけで、BGMは必要ありません。 店長もいりません。

ただ、レジで会計する人がいれば、あとは彼女が全てをこなしてくれます。

一度彼女から商品を買ったお客様は、そのほとんどが彼女のファンになります。

そして必ずまた来店するので、客数はどんどん増えていきます。

そんな嘘のような本当の話が実際にあるのです。

では、彼女の何がそんなにすごいのか分析してみましょう。

カリスマ性 その1

彼女は誰彼かまわずに話しかけます。 
どこからお越しですか? 今日は良いお天気ですね! こんなの食べた事ありますか?
私はこれ毎日食べてますけど、おいしいですよー!  ここの職人は腕が良いもんで、ちょっと
試しに食べてみてください! それからこれなんですけどねー、ちょっと他には売ってませんよ。
ここの職人は顔の方はどうでもないんですけどね、なにやら研究熱心で、色々と身体に良い物
考えるんですよ・・・・・・・

てな具合に、解かりやすく言えば世間話です。

彼女にとってお客様は、皆友達なのだそうです。

最後には、相手の家族構成やら悩み事まで聞いてしまう有様。

いらっしゃいませなどと言っている暇はありません。 すぐに本題に入ってしまうのです。

彼女に接客用語は必要ないと思いました。


カリスマ性 その2

彼女はお客様との会話の中で、少しでも商品に関しての提案があったら、必ず責任者に伝えてきます。そして、答えを聞いてから、お客様に返答するのです。

提案だけではありません。

このパンは、もう少し小さく出来ないか? 少し多いのでとか、このパンは具は美味しいのだけど、パン生地と合っていないような気がするらしいですとか、もう少し安いパンもおいて欲しいそうですとか
このパンは、もう少し甘さを抑えられないか・・・・・などなど、

お客様との会話の中で、お客様がふと口にする細かい要望や好みなどをすべて憶えていて、時間があればその場で聞きに来ますし、忙しい場合は、仕事が終わってからお客様に電話しています。

彼女は一人で、クレーム処理・お客様の声の収集・商品アンケート・顧客リストなど、店舗にとって宝とも言える膨大な作業を、会話の中で全てこなしてしまうのです。

携帯のアドレス帳には、お客様の名前だらけです。


カリスマ性 その3

彼女はお客様とだけ会話をするのではありません。

全スタッフとも常に会話をしています。

彼女にとっては、お客様は友達でスタッフは家族みたいなものなのだそうです。

顔色の悪い販売員には、野菜ジュースを作ってきてくれる。 朝早いスタッフには、豚汁の差し入れをして帰っていきます。 制服のボタン付けやら女性スタッフの私服のボタン付けなども彼女がしてしまいます。 しわになっていれば、アイロンをかけてくれます。 お昼は必ず重箱を何段にも積み上げてきて、皆にふるまいます。
退社した後も、遅番の子が若い女性の場合など、懐中電灯をもって迎えに来ます。
どこまでかって? 店から駐車場までです。

そう、彼女は全スタッフのお母さんなのです。

私はいつもそれを見ていて、この人に自分の時間はあるのだろうか? と思っていました。

しかし、私がそんな質問を彼女にしようものなら、”そんなに気ばっかり使っておると疲れるよ。”
”まあ、これでも飲んで、早く寝ることですよ。” と、栄養ドリンクを渡されて励まされてしまう始末でした。


何が素晴らしい接客で、どう教育すれば立派な販売員になれるのか?

そんな事を考えるより、まず自分がスタッフの為に、はたまたお客様の為に、今何をしてあげたら喜んでくれるのだろう、彼女と出会ってからはそう考えるようになりました。

とても彼女の足元にも及びませんが、今日も私はお客様との会話を楽しんでいます。






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