ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

インスタントイーストの無糖用・加糖用の違いは?

家庭でパンを焼く人が、スーパーなどで買い求めるイースト菌は、その殆んどが加糖用のインスタントイーストであると思われます。

加糖用とは、いわゆる菓子パン用ということで、甘いパン、砂糖を多く配合するパンを作る時に使用するイーストの事を指します。

他方、無糖用とは、加糖用とは反対に砂糖を配合しないか、あるいはごく微量しか使用しないパンを作る時に使うイーストの事を指します。

では、両者を使い分けなければならない理由を説明していきましょう。

まずは簡単に解かり易く説明しますと、加糖用イーストには、砂糖を分解して、イースト菌の食事を作る酵素が多くいますので、砂糖の入らないパンでは、活躍しようが無い、育たない、つまりは膨らんでいかないと言う事になるのです。

他方、無糖用イーストには、砂糖を分解する酵素が少なく、麦芽糖を分解する酵素がたくさんいます。ですから、砂糖の多いパンでは酵素が活動できずに食事が作れない、つまりは膨らんでいかないと言う事になるのです。

お解かりですか・・・・・(^_^;)

では、もう少しだけ細かく説明したいと思います。

ココを憶えておくと ”カッコいい” パン職人になれますよ!!

まずは酵素!

イースト菌の中には、いくつかの酵素が含まれています。

その酵素とは、以下の三つの分解酵素です。

1、 インベルターゼと言い、ショ糖分解酵素を指します。ショ糖とは砂糖の主成分の事です。

2、 マルターゼと言い、麦芽糖分解酵素を指します。

3、 αーアミラーゼと言い、デンプン分解酵素を指します。

次に、パンが発酵していくプロセスですが、ショ糖分解酵素であるインベルターゼが、パン生地中のショ糖、つまり砂糖を分解して、ブドウ糖と果糖という二つの糖を作り上げます。

イースト菌は、このブドウ糖と果糖を主食として成長し、成長しながら炭酸ガスとアルコールを産出します。

この炭酸ガスがパンを膨らませ、アルコールは風味や旨味となっていくのです。

ここはややこしいですが、大変重要な所なので、繰り返し読んで下さいね (笑)

加糖用イーストの中には、上記のインベルターゼが多く含まれているので、ショ糖、つまりは砂糖をすみやかに分解(調理)して、イーストの食事を作ってくれるのです。
ですから、一般的に砂糖を配合することの多いほとんどのパンには、インベルターゼ活性の強い加糖用イーストが使われるのです。

ちなみに、生イーストもそのほとんどが加糖用であり、インベルターゼ活性の強い酵母であると言えるのです。

では、無糖用イーストは?と言うと、少しややこしいのですが、無糖用イーストの場合は、ショ糖分解酵素よりも、麦芽糖分解酵素であるマルターゼを多く含んでいます。

ですが、砂糖の入らないパン生地中には麦芽糖が少量しかありませんので、このままでは発酵できないのです。

そこで、αーアミラーゼというデンプン分解酵素が、小麦粉の中のデンプンを分解して、麦芽糖を産出してくれます。 そして今度はこの麦芽糖をマルターゼが分解してブドウ糖が産出され、それをイースト菌が主食として成長しながら、炭酸ガスとアルコールを生み出すこととなる訳です。

以上のように、無糖用イーストを使用するパンの発酵プロセスは少しだけ複雑で、砂糖を主食として活動してくれる加糖用イーストの様に、速やかにという訳にはいかないのです。

フランスパンの発酵には、通常のパンより発酵時間を多く取るのはこの為でもあるのです。

また、フランスパンにモルトを入れるのは、麦芽糖分解酵素のマルターゼに、速やかにブドウ糖に分解してもらう為でもあるのです。

菌が繁殖していくプロセスは、菌ごとになにを主食として成長していくのかが分かれますが、パン生地を膨らませてくれるイースト菌は、大きく分けて上記の二通りのプロセスをふんでパンを膨らませてくれるのですね。

ややこしくてスミマセン (^_^;)

でも、毎日なにげなく作っているパンですが、実はいろいろなプロセスを経て、理論的にパン生地を膨らませてくれているんだなと、感じながら作業をするほうが楽しいのではないかと私は考えますが、皆さんはいかがだったでしょうか・・・・・・・








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