ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

売上に対しての人件費比率は?

さて、前回パン屋の売上が日商十万円だった場合の人件費を含む経費を見ていきましたが、なんと大幅な赤字になると言う試算が出てしまいました。

単純に考えると、この試算で黒字にするには、いったい何を削るべきなのでしょうか?

たいがいの経営者が一番に考え付くのは、恐らく人件費でしょう。

つまり、年収300万円は出さないとか、パートタイマーにすれば一人分の給与で三人のパートタイマーが雇えるとか、とにかく前回も書きましたが、土地がもらい物であるとか、貯金やら退職金などのまとまった現金がある方以外の場合、設備費は中古にするとかで少々はスタート資金なら安くすることが可能ですが、最終的には人件費を削るという判断を取る事になるのです。

さらに、人件費つまり従業員には福利厚生として、制服を付与したり厚生年金を支払ったり、と~ってもお金がかかります。

ですから、全員パートタイマーでまかなえる冷凍生地を使った職人要らずのパン屋がどんどん増えていってしまうのです。

人件費以外の経費に関しては、マネージメントを参照してもらうとして、ここでは人件費に的を絞ってお話ししたいと思います。

前回も少々触れましたが、売上目標を決めるにあたり、まずオーナーであるあなたが何人の従業員をかかえる気構えがあるかを決めなければなりません。

何人の運命共同体であり、家族であるところの従業員と共に、日々明るく楽しいベーカリーを運営していきたいですか?

女房と二人で、仲むつましくつつましくと行くも良し。

立派な職人を二人、若手を二人、販売員は可愛いアルバイトの子でもいいかな?

いやいや職人は一人で個性を出してもらって、後はパートさんをたくさん雇って職人をフォローさせよう。

女性スタッフだけで、清潔感をアピールしたお店もいいかも。

などなど、どんなお店にしていきたいか、それを実現するには、どんな人を何人雇用すれば良いのか、このあたりをまず明確にするべきです。

そして、それだけの人に満足に給与を支払えるようになるには、いったいいくらの売上が必要なのかを試算するのです。

人件費と原材料費以外の経費は、削れるならば削れるだけ削減するべきです。

しかし、人件費とは従業員の生活を支え、未来への備えも蓄えながら、日々全力で戦う為のエネルギーの源なのです。

働く者にとって、常に生活や将来の事を一緒になって考えてくれるオーナーは理想の存在であり、そんなオーナーの為だからこそ、一生懸命になれるのではないでしょうか?

何かと言えば減給・リストラでは、頑張りたくても気が入りません。

そもそもオーナーの試算が甘いから招いた売り上げの低下だというのに、結局最後は従業員にしわ寄せが来るのですから、たまったものではありません。

どんな希望を抱いて、あたらしいあなたのお店へ共に働こうと思って来てくれたかを、オーナーは心に刻まなければなりませんし、そんな運命的な出会いに、心から感謝して欲しいものだと思います。

現実問題として、ベーカリーで働く、特に若者は必ずと言って良いほど給与に関しては愚痴をこぼしています。

そんなベーカリーのオーナーは、また必ずと言って良いほど売上が上がったら給料も上げるよといいます。

これはつまり、売上が上がらないのは従業員のせいだと言っているのと同じです。

そして、給料が低いのは、従業員が無能だからだと言っているのと変わりません。

こんな事だから、従業員は愚痴るし売上もいつまでたっても上がらないのです。

従業員がやる気のベーカリーでは、会話は常に明るく、内容は新商品のことばかりです。

皆が新しい自分が開発した新商品を発売したくてうずうずしている。

だから、お店はいつも新商品で活気付いている。

そんなお店にお客様は引き寄せられてくるのです。     おわかりですか?

どうせ払う費用です。  受け取る側が、納得のいくような給与体系と、ガラス張りの利益配分を行う事で、喜びも苦しみも共にできるのではないかと私は考えます。

それでも当然のごとく思い通りの売上が上がらないこともあるでしょう。

しかし、そんな時も日頃からガラス張りの経営を行っていれば、従業員一人ひとりがあなたの味方になって考えてくれる筈です。

従業員と言うのは、オーナーが勝手に決めた命令を聞きたいわけではないのです。

共に考えたいのです。

このあたりをどうか肝に銘じて、最後に頼りになるのは、家族であり運命共同体でもある従業員だということを忘れずに、商売を始める意義についてじっくり思案される事を祈ります。

今こんな詩を思い出しました。

人は石垣 人は城 情けは味方 あだは敵

極論ですが、有名ベーカリーのオーナーは皆人格者です。

ということは、私にはどうやらお店はむりのようですね~(~_~;)








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