ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

良いパンを焼く為の ”焼減率” とは?

そもそもパンを ”焼く” と言う工程には、大きく分けて二種類の意味合いがあります。

ひとつは、香ばしい香りを出す為。

ふたつめは、パンの水分を飛ばす為。

ひとつ目の香りをつける為とは、パンは何と言っても小麦を焼いた時のあの香ばしい香りが命です。

その意味では、香りを出すということが、味そのものにも関わってくると言う事になりますね。

実際に、私たちは何かを食べて ”美味しい” と感じる瞬間、舌で味覚を味わうと共に、香りも同時に感じているのです。

風邪を引いて鼻がつまると、食べ物の味が無くなってしまうと言う経験を誰もが感じた事があると思います。

これは、鼻で香りを感じられないと、舌だけでは美味しさは味わえないと言う事なのです。

つまり、舌と鼻、味と香りはワンセットになっている訳ですね。

という事で、適度に焼いて香ばしい香りをつけると言う事が、パンを焼くという工程の意味なのです。

そしてもう一つは、パンの生地には多くの水分が含まれており、そのままでは食べられませんね。

このパン生地をオーブンで焼くことで、水分が蒸発して乾燥していき、食べられるパンになる訳です。

これがパンを焼くという理屈になる訳ですが、はたしてどの位水分を蒸発させればいいのか、どの位色を付けて焼けばいいのかが問題となります。

そこで目安となるのが焼減率なのです。

これは、パンの水分をどの位飛ばすのが良いのかを商品別に割り出す理論なのですが、決して難しい物ではありませんので、しっかり身につけましょう。

ではまず一般的な食パンで、中に具材の入っていないパン。

この場合は水分を7%飛ばしてください。

7%飛ばすと言う事は、例えば食パンの生地重量が220g×6個で一本の食パンであった場合、次の式になります。


1320g×7÷100   電卓なら1320g×7%ボタンを押します。

すると答えは92.4となり、約92gが食パン一本の7%に当たると言う事が解かります。

食パン一本 1320gから92gを引くと 1228gですから、オーブンから出した食パンを計ってみて、ちょうどこの位の重量なら焼減率7%となる訳ですね。

そして、ちょうどいい焼き加減のもう一方の香ばしい香りを出す目安とは、ズバリ・・・・お好みです。

焼き色は、それぞれに好みがありますし、こだわりもあるでしょう。

ちょうどいい色合いだと自分で判断できれば、それがちょうどいい焼き色になる訳です。

どの程度の火加減で、適正な焼減率に持っていくかというのが、パンを上手に焼くテクニックとなる訳です。

また、焼減率をとっくに知っていると言う方は、それぞれの焼減率をお持ちでしょうから、そのままでも構いませんし、違う焼減率のパンを試してみるのも良いと思います。

私の焼減率の基本は、次の日に食べた場合を想定して設定しています。

なぜなら、本日買った食パンを本日中に食べるには、夕食で食べるしかありません。

しかし、統計的には日本人はそのほとんどの方がパンは朝食でしか食べません。

ですから、本来ならばもう少し水分を飛ばした方が当日に食べるのでしたら美味しいと思うのですが、それだと実際に多くの方が食べるであろう翌日にはやや硬くなってしまうので、あくまで翌日に食べるであろう事を想定して、水分を飛ばし過ぎない事を提案しています。

それではその他のパンの焼減率も少し紹介しましょう。

砂糖や混ぜ物が沢山入ったパンは 6~6.5%

ぶどうパンのように、あきらかにパン生地に対して40%以上の混ぜ物がある場合は 4.5~5%

砂糖や油脂が少ないハード系の食パンは 8.5~9%

バタールやバゲットは20%

その他の、あんぱんやカレーパンなどは、具材の量によりますので、ここでは触れませんが、大型のパン以外の小型パン全般は、あまり焼減率を気にする必要はありません。

気にしなければならないのは、美味しそうな色であるかどうかと、しっかり中まで火が通っているかと言う事です。

これを期に、今までの自分で焼いたパンがどの位の焼減率であったかを是非調べてみてください。

計算が苦手という方の為に、ご自分のパンの焼減率を出す計算式を書いておきますので(笑)


まず焼く前の生地の重さを計っておく。 ・・・・・たとえば食パン一斤型で400gだったとします。

次に焼けたパンの重さを計る。・・・・・たとえば焼けたパンが380gだったとします。

焼く前の生地の重さから、焼けた後のパンの重さを引く。

400g-380g=20g となりますね!

そして 20g÷400g×100=5% という事で、このパンは5%しか水分が飛んでいないと言う事が解かります。

水分の飛びが少ないと、横が潰れてきたり、中が生っぽかったり、消化の悪いパンになります。

また、その逆で水分が飛びすぎていると、パサパサなパンになります。

あなたのパンは、適正に焼けているでしょうか????



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