ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

某有名ネット販売パンショップに学ぶ・・・

もう十数年前のオープンだったと思いますが、都内にネット販売専門のベーカリーが誕生しました。

関係者なら、一度は聞いた事がある名前の有名店ですが、味やパンの良否は賛否両論あると思いますが、その店の凄いところは、決してパンの品質へのこだわりだけではないのです。

一口で言うと、パンが恐ろしく高い!

それも、一つ500円とか1000円とかの世界ではありません。

5000円とか7000円とかという、とても考えがたい値段設定で販売しているのです。

しかも、ずっと売上を伸ばし続けているのです。 別に一つが大きい訳ではないのですよ。

普通の大きさのパンが、普通は高くても500円程度の食パンが、十倍はするのです。

世の中にはお金持ちがいるのですね! うらやましい限りです・・・・・・・

と、ここで話が終わってはなんにもならないのです。

なぜ、そんなに高い価格で販売しているのかが問題なのです。

その一つに、当然のことながら、原材料への半端ではないこだわりがあります。

しかし、私個人としては、この原材料のこだわりには興味がありません。

なぜなら、パンは庶民の食べ物だからです。

勝手にこだわって、勝手に販売価格を上げるのは、完全に庶民をターゲットに商売をしていません。

そういう販売方法を、私はとても不愉快に思います・・・・・・・と、いけないいけない、わたしの考えはどうでもいいのでした (笑) スミマセン

今回お話したいのは、このお店の別のこだわりについてなのです。

それは、徹底した衛生管理の考え方を持っていると言う点なのです。

通常ベーカリーでは、天板や食パンなどの焼き型は、使用後に油を塗って終わりますが、このお店では、一度使用した物は全て洗うのです。

それだけではありません。 清潔感にこだわるこのお店では、男性スタッフは雇わないのです。

男は不潔なのかな・・・????

とにかく、通常のベーカリーではありえないような清掃を、十分な人員と時間をかけて行っているのです。

それら全てにかかる費用も、パンの代金に含まれるので、当然高くなるのですが、問題は、お客様がそれに賛同して購入していると言う事実です。

私達が、仮にも清掃人員を余分に雇い、その人件費をパンに上乗せしても、誰一人お客様は賛同してはくれないと思います。

その店舗は、始めからその姿勢を貫いて今日に至っています。

当然のことながら、その考え方やスタイルがお客様に浸透するまでは時間がかかったでしょうし、並大抵のこだわりでは、お客様を満足させる事は出来なかったと思います。

すごいと思うのは、今まで誰も出来なかった事を、そうあるべきだという信念を持って貫き通したと言う点です。

どのようなシステムも、お客様の反応が今一だと、すぐに変更してしまうものです。

それが、お客様第一主義であり、お客様の声であると我々は勘違いしてしまうものです。

衛生管理という名の清掃業務は、お金はかかりますが、お金を生みません。

非生産的行動に力を入れるのは、並大抵の企業努力では出来ない事を、多くの皆さんが実感しているのではないでしょうか。

パンの販売価格は、全国的にほぼ同じです。  これを、いかに効率よく製造しても、常にぎりぎりの利益しか得られないのがベーカリー経営の実態です。

そんな中で、販売価格を上げてでも、付加価値を上げたいと考えたオーナーの発想は、凝り固まった私たちの先入観を叩き割るのに余りあると思うのは、私だけでしょうか・・・・・

旧態依然と言う言葉がありますが、皆様ご存知ですか?

常に新しい発想と行動力が問われる食品業界。

ただパンが美味しいというだけではなく、どのようにして作られたかを自信をもって公開していく姿勢が、これからの食品業界には必要なのかもしれませんね・・・・・・・・







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