ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

マニアック? な質問達 ②

こんな質問をいただきました。

バターなどの固形油脂を途中で混ぜる時、ひきちぎってや、カードで生地と一緒に切り刻んで混ぜるやりかたは、せっかくつながった生地を破壊してしまうので、もみこむこねでよいですかね?

バターを入れる目安(こねの何割か)は、さまざまみますが、どんな食感にしたいかで変えるのでしょうか?

 
切り刻んで混ぜると言うのは初めて聞きますが、ニュアンスは何となく解りますね(--〆)

菓子作りの際に最後に粉をさっくりと混ぜる・・・・

これなら納得できるのですが、パン生地を切り刻むと言うのは理解に苦しみます。

当然揉みこんで下さいね(*^_^*)

油脂を途中で入れると、手も入れ物又は作業台もベタベタヌルヌルで、これでいいの?????

・・・・みたいな気分になりますよね!

でも、その後すぐに馴染んで来ると思います。

ベタベタヌルヌルでいいのですよ。

その際に拭き取ったり、一生懸命カードで集めたりする必要はまったくないのです。

そっちこっちベタベタにして大いに結構、やがてすべてが生地に入り込んでくれますから、生地で周りに飛び散った油脂を拭いて行く感じでいいのです。

また、油脂投入のタイミングですが、基本的にはしっかりと生地が出来てから油脂を入れた方が、混ざりは悪い感じがするのですが、最後には気泡をしっかりと含んだ生地になるのです。

早い段階で油脂を入れた方が、混ざりは良い感じがするのですが、その後に生地のつながりが悪くなり、ふわっとした生地に仕上げる事が出来なくなります。

ですから、あえてボリュームを出さないパンを作りたいのでなければ、8割がたしっかりと捏ねた後に油脂を入れた方が、ふんわりとしたパンになると思います。

この油脂投入タイミングを、しっかりと見極める事が、実は非常に重要なポイントとなるのです。

一つ憶えておいていただきたいのは、油脂は最初の方に入れれば入れるほど、潤滑油としての効果が出てしまい、なかなかグルテンがつながらなくなってしまいます。

したがって、とても長く捏ねなければならなくなりますので、生地温度も上昇しますし、体力ももちません。

油脂投入の前に、しっかりと生地を作っておく事がポイントとなります。



食パンこねは、もむ→たたくですよね。

菓子パンやお惣菜パンで、弾力やそこまでの、ふくらみを求めないのなら、もむ→軽くたたくぐらいでよいのでしょうか?

たたくと、気泡が小さくなり伸びる力もつき、弾力がつくのでしょうか?

食パンが10割こねでしたら、菓子パンや総菜パンは8割こねぐらいなのでしょうか?



捏ねる・もむ・たたく・・・・・これらの表現は人によってまちまてでしょう。

ですから、何パンは叩きか揉みか・・・・と言う表現はここでは出来かねます。

そうではなくて、そもそもパン生地を捏ねる意味を整理してみましょう。

皆様は、パン生地をどの程度こねたらいいのか????

または、どの程度捏ねるべきなのか????

このあたりが非常に難しく納得しずらい部分であるとお考えのようです。

事実、生地作りは製パンにとって、とても重要な要素を持っています。

どの程度捏ねられているかによって、その後のボリュームや食感が変わってくる訳ですから、難しいし、腕の見せ所でもある訳ですね。

では、理論的にはどう考えたらよいのかを説明していきましょう(^0_0^)

パン生地のグルテンのつながり(捏ね具合)が丁度良い状態を100%と考えますと、それが50%の場合には風船の数が半分なのですから、あまり膨らみは得られないと言う事になりますね。

しかし、80%以上なら、目で見て違いが解るほどの差は無いと考えられるのです。

なぜかといいますと、いくら100%捏ねられていたとしても、その後の成形で生地を傷つけてしまい、100%だったものが80%位になってしまうと言う事があるからです。

逆に、80%程度の捏ね具合の場合でも、その後の作業で更にグルテンがつながり、最終的には100%の状態に持って行く事も出来る訳です。

と言う事は、100%捏ねられた生地なら、その後の扱いに気を付けながら、100%を維持して行く事が重要ですし、80%捏ねられた生地なら、その後の作業でパンチをしたり、発酵時間を長めにとったりして、残りの20%をおぎなう事が重要となる訳です。

では、今の状態がはたして何%位の捏ね加減なのだろうか????

それが解らない事には、その後の作業でと言ってもどうする事も出来ませんよね。

ですので、ご自分の捏ねた生地が、いったい何%位の捏ね具合なのかを知ると言う事が、その後のパン作りを制すると言う事になる訳です。

それが解れば苦労はしない・・・・・・

そうですよね! そこがはっきりしたら、相当のプロと言えるでしょうから(ー_ー)!!

ですが、生地をよ~く見て下さい。

捏ねた後の生地を数分そのままにして下さい。

生地の表面がやや乾燥気味になっていたり、指で押してへこみが出来るようでしたら、捏ねが足りません。

逆に、生地の表面が濡れていて、少し透けているような感じになり、指でこすると表面の皮一枚が剥がれるような感じになっていたら、捏ね過ぎです。

一般的に、手で捏ねて捏ね過ぎになることはまずありません。

逆に、機械で捏ねている方は、そのほとんどが捏ね過ぎています。

またこの捏ねると言う作業に最も影響してくるのが生地の柔らかさです。

硬めの生地なら叩けば切れやすくなりますので、どうしても揉み込むしかありません。

逆に柔らかい生地なら、揉む程度ではグルテンはつながらないでしょう。

捏ねた生地を5分程休ませた時に、横に広がっていくようなら捏ね過ぎですが、生地がかなり柔らかい時にもそのようになりますので、見極めが必要です。

では、そもそもパン生地の捏ね具合は100%を目指して捏ねるべきなのでしょうか?

それとも、適当な所で終わらせても良いのでしょうか?

答えは、どちらでも構わないのですが、それぞれに得られるものが違うと言う事を理解して捏ねるべきだと言うのが正解だと思います。

一般的に、強力粉を使ってパンを作ると言う事は、ふわふわを求めているはずですから、100%捏ねた方が当然目的のパンになりますね。

これをあえて少なく捏ねる意味はあまりないと考えます。

もしボリュームを抑えたり、食感をふんわりさせたくないのなら、はじめから強力粉をつかうメリットがない訳で、その場合は中力粉を使うか薄力粉をブレンドすればいい訳です。

どう捏ねた時にどう言うパンになったか?

それが自分の想像通りだったかそうではなかったか?

パン屋であれホームベーキングであれ、後は経験と観察力に全てがかかっています。

適当に作ってもパンは出来ますし、自分の思い通りに作ろうとすれば何十年かかるか解りません。

それがパンと言う、何処にでもあるようでいて、一つとして同じ物がない食べ物なのかもしれませんね。

マニアック質問は、まだまだ続きますよ~



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