ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

パン教室に通う方々からの質問です。

バカな質問するな…と言わないでくださいね笑


パン教室ではあまり教えて頂けないのですが、私はとにかくドーナツが大好きで家ではしょっちゅうドーナツを揚げて食べています。ですので体型もご想像通りでお恥ずかしい限りなのですが、それでもやめられないくらい好きなのです!・・・・
・・・・朝さんの記事でも良く書かれていますが、パンは出来るだけ強火で焼いた方が良いと教室の先生も良く言っているのですが、それってドーナツでもその方がいいのですか⁇もしそうだとすれば、どの位の温度で揚げるのが良いと言えますか⁇
ちなみに今はイーストドーナツの時で180℃、ケーキドーナツの時で170℃くらいです。

バカな質問ついでに思い切って聞きます!
トンカツや春巻きなどはかなり低い温度からスタートしたりする揚げ方が有りますが、パンの場合そのような揚げ方をしたらどうなるのでしょう…と言うよりやってみろボケと言いたいでしょうね笑
いつもいつもすみません・・・・

こちらこそいつもいつもメール有難うございます。 
ただ、笑いすぎです (*^^*)

家庭で作るドーナツ、実にいいですねー!! 

なぜかと言いますと、どうしてもオーブンの性能を考えると家庭で使われている一般的なオーブンでは充分満足な品質を得るのが難しいと感じていいるからです。

揚げるドーナツなら、生地さえ良いものが出来ていたなら、最高の品質を得ることが可能ですから・・・

ということでご質問の揚げ温度ですが、ことイーストドーナツ、つまりパン生地を揚げる場合の温度というのは、けして強火にはしないで頂きたいと思います。

もし仮に20℃位高くして揚げた場合、表面だけが焦げてしまい中身はまだ半生なんてことになると思います。

逆にです、低くして揚げた場合にはたっぷりと油を吸ってしまい、激まずドーナツになってしまうでしょう。

ですので結論から申し上げて現行の温度でいつもどおり揚げていただくのがベストかと思われます。

とんかつとか春巻きに関しては専門ではありませんが、弱い温度帯、あるいは冷たいうちから油の中に入れておいたとしても、とくに品物に変化を与えることがないような食材であるならば理にかなっているということになろうかと思うのですが、パン生地のように時間によって、または温度によって膨らんでくるようなものの場合、油の温度が超低いのに生地を入れてしまうと、恐らくは中途半端によく膨らんでしまって、しかも油を超吸っていて、火膨れだらけの、表面がガサガサのドーナツになってしまうと考えられます。

この場合に限っては、お試しにはならないほうが良いかと・・・


家ではいつも何も塗らないで焼いていたのですが、先日久しぶりにパン教室に行きました所とても艶の良いパンが完成し、やはりエッグウオッシュは必要ではないかと感じたのですが、見た目よりも味を優先したい場合にはやはり生地にダメージを与えないために何も塗らないでおいたほうがいいでしょうか?・・・・

ぬり卵を塗ったくらいでは潰れないよ・・・というような生地が出来ているのでしたら、特に塗っていただいて何の問題もないと思います。

配合や成形にもよりますが、成形後の最終発酵をじっくりと弱めの温度帯でとられたような生地だと、エッグウオッシュを塗ったくらいでは潰れはしないと思いますし、何よりも日頃からその事に敏感に目を向けられているようですので、この生地は塗れるかな~ 塗れないかな~ というのは直感で感じることが出来るはずです。

日頃お化粧はしないという方が久しぶりに化粧顔を見てビックリした・・・ということでしょうか(笑)

時には美味しいものよりも美味しそうに見えるもののほうが勝つこともありますので、あまり深く考えずに大いにお化粧も楽しんで頂けたらと思いますよ。

エッグウオッシュをしてから焼いた艶と、焼き上がり後に艶出しをした場合とでは、どうしても濃さに差が出ます。

あくまでも好みの問題ですが、なんでもかんでも艶出しをしなければ焼いてはいけない・・・的な誤解をお持ちの方が、今にも潰れそうな生地に対してハケで攻撃を加えるのはマイナスですよ、そのような時にはそのまま焼いて、焼いた後にバターなりを塗って艶を出すことでダメージが抑えられますよという提案ですので、エッグウオッシュは塗るべきではないという話ではないことを申し上げておきます。


・・・かれこれ3年位は通っていますが、とにかく人柄の良いお婆ちゃん(と言っては失礼なくらいお若い方)の教室ですので、とても和気あいあいで毎回とても楽しみにしているのです。

ですが、一つだけどうしても???と感じていることがありましてお聞きしたくなりメールいたしました。

それは、生地を捏ねてから4等分に切り分けて丸めるという動作のときなのですが、先生が丸めた生地はどう見ても表面がビリビリに切れているように見えるのです。

私もけして上手な方ではないのですが、どう見ても先生が行った生地だけがビリビリになっているのが気になって仕方がないのです。
先生は「生地は作業台の上ではなく両手の平で優しく優しく扱ってくださいね~」と言いながら表面を張るように丸めていくのですが、出来上がりを見ると明らかにビリビリな感じがするのです。

その後成形する直前になってもやはり肌は荒れ放題なのですが、先生は特に気にしている様子はないのですが私は気になって仕方がないのです。

だからと言っておかしなパンが出来上がるというわけではないのですが、とても優しいお婆ちゃん先生が生地をビリビリにしてしまう事がどうしても気になってしまって、とは言えどのように伝えたら良いものか、もしかしたら自分が間違っているのかも知れないという気持ちもあり、楽しいはずの教室なのですがその瞬間だけはどうしても落ち着かずにいるのです・・・

というお嘆きというか雄叫びのような気持をいただきました。

じ~つ~に~よく解ります!!

私自身も、パンの美味しさとか品質とか人柄とかよりも、パン生地の肌が荒れることが一番気になってしまう性格なものですから、そのお気持ちは実によく解ります。

結論から申し上げて、それは間違いなく生地がビリビリに荒らされている瞬間でしょうし、そのような生地の荒れが全く気にならない方・・・というのは実は大変多くいらっしゃいます。

眼の前で一緒に作業を行っていて、思わず ウォ~ッ!!! とか マジかーッ!!! と叫びたくなるような瞬間があるくらいです。


私の場合はそれを見た瞬間人間が変貌してしまい、かなりの激を飛ばしてしまうことがしばしばで、何度も失敗をした経験があります。


大げさかもしれませんが、まるで目の前で自分の子供がひどい目に合わされているかのような気持ちになってしまうのです。


今回の場合、それを本人に言ったとしても気が付かないと思いますね~


長いことそのスタイルを貫いてきたわけですから。


苦い経験談をお話しますが、お店を開く予定だという老夫婦が私のところで研修したいといって来られたことがありました。


とある方からの紹介だったので、3日ほど一緒に作業を行ったのですが、お二人ともに長いことパン教室を主催されており、この度人生最後の楽しみとして小さなお店を開くということで、商品などの提案と技術的にアドバイスを求めての来店でした。


見た目にも微笑ましい老夫婦ですから、どんな素敵なお店になるか楽しみでしたし、出来る限り応援したい気持になったものでした。


しかしです、研修開始初日数時間にして私は思わず激昂してしまったのでした。


それは、あまりにも生地の取り扱いが下手であること、そして生地がビリビリに切れているにもかかわらず平然としていること、そのせいで完成品にボリュームが出ないことや、色艶がまだらになり最悪の品質であるという事実に対して、まったくピンぼけした解答しか帰ってこなかったこと。


おまけに、私の行うパンチや分割丸めが雑である、生地に対して優しさがないなどと言い出すのでした。


この方々の言う優しさというのは、”気持” という意味では理解は出来ます。


がしかし、結果として生地へのタッチは最悪で、その事が招く最悪のパンの状態には目を向けようとはしませんでした。


初めのうちは冷静に対応していたのですが、あまりにも自分たちは正しいと言いはるので、思わず私は ”ならば思う通りにやってみろ” といい好きなようにパンを作らせて、その後に完成したパンを見せつけて、”こんなボロクソなパンで商売ができるかーっ” と言ってお店に並ぶパンとの品質の違いを見せつけたのでした。


誰の目にもそれはひどい出来栄えのパンでしたので、さすがに本人たちもこれが自分たちが作ってきたパンなのかと愕然とした様子で、二人揃って大泣きしてしまったのでした。


我に返って私は、現実というものを見てほしかったという気持の反面、人生の大先輩に対して、しかも楽しく歩んでこられたパン作りを否定するような事になってしまったことに対して、深く反省すると共に、どうしたらこのようなパン好きの方々が間違った解釈でパンと向き合うことを無くすことが出来るだろうかと考えたものでした。


今では激昂することは抑えられるようにはなりましたが、他人の手元を見るときはビクビクしてしまう自分がいてとても恥ずかしいです。


それもこれも全てを含めて包んでいけるような指導ができないといけないと日々感じているところです。


ですので、ひじょう~にお気持ちはわかるのですが、その部分以外の良い面に目を向けられて、あくまでご自分で作るときだけ肌荒れを気にされながら、パン作りを楽しんで頂きたいと思うのですがいかがでしょうか。